1970年代初頭の新宿、その混沌とした空気感をそのままフィルムに焼き付けたような、凄まじい熱量が本作の最大の魅力です。単なるエロスやスリラーの枠を超え、当時の若者たちが抱えていたやり場のない虚無感や、既存の価値観に対する鮮烈な反抗心が、荒々しくも美しい映像美の中に息づいています。
江島裕子の儚くも鋭い存在感は、刹那的な生を生きるフーテンたちの悲哀を見事に体現しており、観る者の胸を強く締め付けます。犯罪という極限状態を通じて浮き彫りになる人間性の深淵、そして都市の闇に消えていく孤独。本作は、時代が生んだ熱病のような狂乱を、あまりに鮮やかに、そして残酷に描き出した衝撃作といえるでしょう。