主演のジョナ・ヒルが、プロゴルファーの枠を超えた生身の人間としてのジョン・デーリーをいかに体現するかが本作最大の白眉です。単なる物真似に留まらず、栄光の裏側にある孤独や、破天荒な振る舞いの奥に潜む脆さを抉り出す彼の憑依的な演技は、観る者の魂を激しく揺さぶります。端正なゴルフ界という舞台で、異彩を放ち続けた男の野性味溢れるエネルギーが、スクリーンから強烈に溢れ出しています。
本作の本質は、不完全な人間がいかにして時代の寵児となり、そして己の業と向き合ったかという深遠な人間讃歌にあります。光り輝くグリーンと、その影に潜む混沌とした私生活のコントラストが、美しくも残酷な映像美で描き出されています。常識を打ち破る力強さと、誰しもが抱える弱さを同時に描き切る演出は、人生という名のゲームに挑むすべての人への、熱いエールとなるはずです。