あらすじ
真夏のヨコハマ。女子大生の榛子は今年20歳の女子大生。男に声を掛けられ、誘われるままラブホテルへ。快感の後に残るのは、少しの眠りと一万円札数枚。そんな榛子は森林公園のプールをボーっと眺めていた。そこではバイトの監視員たちが、溺れた白いビキニの娘を介抱していた。彼等は「元帥」と呼ばれるチーフとパイ、チビ、キタ、キーボーと呼ばれる青年たちのグループだ。榛子のそばに、チーロという娘がやってきて、聞きもしないのに勝手に妊娠していると話し出す...。
作品考察・見どころ
1981年の空気を色濃く反映した本作は、個人のアイデンティティが揺らぐ時代の閉塞感を、鋭利な映像美で切り取った野心作です。池田敏春監督によるストイックな演出は、孤独と抵抗を鮮烈に際立たせ、無力と王という相反する概念が衝突する瞬間に立ち上がる、儚くも強靭な虚無のエネルギーを提示しています。
高樹澪の瑞々しさと根津甚八の重厚な哀愁が火花を散らす演技は、観る者の心に深い爪痕を残します。生の実感を得るために足掻く人間の根源的な叫びを映像で純粋化した本作は、理屈を超えた衝動で魂を激しく揺さぶります。沈黙の中に真実が宿ることを証明する、時代を超えた傑作の輝きをぜひ体感してください。