本作の最大の魅力は、バブル前夜の東京という狂騒的な舞台を背景に、高橋利幸が体現する圧倒的な熱量と予測不能なバイタリティにあります。瑞々しい輝きを放つ若き日の鈴木保奈美と、喜劇界の巨匠ハナ肇が織りなす絶妙なアンサンブルは、当時の日本映画特有の泥臭くも愛おしい人間讃歌を見事に描き出しており、観る者の心を一気に作品世界へと引き込みます。
画面から溢れ出すこのエネルギーは、効率が優先される現代において、愚直なまでの情熱こそが世界を動かすという力強いメッセージを突きつけます。都会の喧騒に翻弄されながらも、泥をかぶって奔走する主人公の姿は、理屈を超えた笑いと明日への活力を与えてくれるでしょう。時代を超えて色褪せない、魂を揺さぶる一級のエンターテインメント作品です。