1980年という時代の転換期に放たれた本作は、単なる官能の枠を超え、人間の内面に潜む「生の衝動」を鮮烈に描き出しています。夏レイ子をはじめとする俳優陣が魅せる、理性をかなぐり捨てたかのような剥き出しの熱演は、観る者の倫理観を揺さぶり、魂の奥底にある解放への渇望を呼び覚ます圧倒的なエネルギーに満ちています。
特筆すべきは、光と影が織りなす耽美な映像美と、崩壊と陶酔が隣り合わせにある危うい心理描写です。肉体の交わりを通じて自己を喪失し、忘我の境地へと誘う演出は、映像表現の極致と言えるでしょう。観客は、刹那的な美しさの中に、抗いがたい生の真理を突きつけられる、濃密な映画体験を味わうことになります。