本作の真髄は、自己犠牲を強いる伝統的な母親像を軽快に打ち破り、一人の女性としての欲望と情熱を肯定する圧倒的な生命力にあります。主演の鍾欣凌が見せる卓越したコメディセンスと、時折覗かせる孤独の機微は、観客の心を笑いと共感で激しく揺さぶります。家族という厄介で愛おしい絆を、シニカルかつ温かな眼差しで捉え直す視座が実に見事です。
物語を彩る極彩色の演出と、アイドルの追っかけという突飛な騒動が生むカオスは、映像表現でしか成し得ない過剰なまでのエネルギーに満ちています。単なる喜劇の枠を超え、人生の後半戦をいかに輝かせるかという普遍的なテーマを熱狂的に描き出しており、鑑賞後には最高にハッピーな多幸感が押し寄せます。