本作は、華やかな生活の裏に潜む「結婚の機能不全」を、鋭利な皮肉で切り裂く傑作コメディです。洗練された映像美の中で描かれるのは、離婚という選択が泥沼のビジネスへと変貌する滑稽な社会構造そのもの。この容赦ない風刺精神こそが、今もなお本作を鮮烈に輝かせています。
ディック・ヴァン・ダイクとデビー・レイノルズが体現する夫婦の焦燥感は、観る者の胸を突き刺すほどリアルです。単なる笑いを超え、制度に翻弄される人間の悲哀とエゴを浮き彫りにする演出は圧巻。真の幸福の在り方を激しく問いかけてくる、鑑賞後も思考が止まらない情熱的な名作です。