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本作が放つ圧倒的なリアリズムは、終戦直後の空気をそのままフィルムに焼き付けた生々しさにあります。多言語が飛び交う混沌の中で通じ合う人々の眼差しは、演技を超えた真実の重みを湛えています。人間の尊厳をドキュメンタリー的手法と崇高なヒューマニズムで描き切った演出は、今なお色褪せない鮮烈な輝きを放っています。 単なる逃亡劇ではなく、他者の苦境にどこまで良心を貫けるかという鋭い問いを本作は突きつけます。救いと犠牲の狭間で揺れる人間性の極北を映し出したこの物語は、物理的な国境以上に重い心の境界線を激しく揺さぶります。時代を超えて魂を震わせる本作は、まさに映画史に刻まれるべき至高の人間讃歌といえるでしょう。
監督: Leopold Lindtberg
脚本: Elizabeth Montagu / David Wechsler / Richard Schweizer
音楽: Robert Blum
制作: Lazar Wechsler
撮影監督: Emil Berna
制作会社: Praesens-Film