宮廷の虚飾を打ち破るカトリーヌの奔放なエネルギーが、本作の真の主役です。ミーラ・ミスリーコヴァーが体現する、無作法だが一本芯の通った潔さは、見る者の心に爽快な風を吹き込みます。階級社会の滑稽さを笑い飛ばす力強い肯定感こそが、この物語が時代を超えて愛される本質的な魅力と言えるでしょう。
ヨゼフ・ヴィンクラーシュらとの絶妙なアンサンブルは、権威の象徴であるナポレオンさえも一人の人間へと引き戻す、温かなリアリティに満ちています。豪華な衣装に身を包んでも決して失われない庶民の魂。その対比が鮮やかに描かれることで、地位や名声よりも大切な誠実さという普遍的なメッセージが、瑞々しく胸に迫ります。