あらすじ
旅行代理店を始めた小野寺と田中は、「7万円でハワイ3泊4日、先着300名様」をうたい文句に、客から2,100万円を?き集めた。だが、田中が金を持って姿を消し、小野寺には借金だけが残された。銀次郎に金を借りていた小野寺もまた姿を消し...。
作品考察・見どころ
竹内力演じる萬田銀次郎の圧倒的な存在感こそが本作の核心です。劇場版第十作に相応しく、冷徹な金融哲学と金に翻弄される人間の業が重層的に描かれています。単なる勧善懲悪に留まらない、欲望の果てに漂う虚無感や哀愁を捉えた映像美は、シリーズの様式美を昇華させた映画としての力強さに満ち溢れています。
いしのようこや本田博太郎ら実力派が織り成す濃密な心理戦も見どころです。待つ側の孤独や執念が物語に情緒を添え、銀次郎の峻厳な裁きを鮮烈に際立たせます。法律の隙間を突くスリリングな知略と、心の機微を掬い上げた演出が融合した、まさに大人のための極上の人間ドラマと言えるでしょう。