本作の真髄はアルフレド・ランダが体現する、持たざる者の悲喜劇的なエネルギーにあります。単なる喜劇を超え、当時のスペイン人が抱いた憧憬と焦燥を、彼は愛嬌と哀愁で見事に表現しました。共演陣との絶妙な掛け合いが、夢と現実の残酷なコントラストを鮮烈に描き出しています。
異郷での過酷な現実を笑いに昇華させつつ、真の豊かさを問いかける鋭い社会風刺こそが最大の見どころです。虚飾に踊らされる滑稽さと、泥臭く生きる人間賛歌が、時代を超えて観る者の魂を揺さぶります。今こそ再評価されるべき、熱量溢れる人間ドラマの傑作です。